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「水素エネルギーってどうやって作るの?」

2021-11-17

地球温暖化などの環境問題への取り組みが世界的に進んでいます。そんな中で、次世代のエネルギーとして今大きな注目を得ているのは「水素エネルギー」です。利用時のCO2の発生率がゼロ、身体に有害な大気汚染物質もゼロというクリーンなエネルギー。いったいどうやって作られているのでしょうか?

そもそも水素ってなに?

身近な元素の1つである水素。でも身近にあるとは知っているものの、なんとなく馴染みがない気がしませんか?

それもそのはず、水素は水素単体では自然界にほとんど存在しておらず、地球上では水や化石燃料などの化合物として存在しているのです。

加工物として地球で最も多いものは「水の素」という名前の通り水です。そして、宇宙全体をみてみると70%は水素で占めているといわれており、私達が見ている星のほとんども、水素をエネルギーとして光っています。

その他にもマーガリンや口紅などの油脂を硬化するのに使用されたり、充電池も水素イオンが使われたりと、調べてみると、私達の生活に欠かせない存在だということがわかりますね。


水素エネルギーは2次エネルギー?

前回、「再生可能エネルギー、自然エネルギー、新エネルギー。色々あるけど何が違うの?」という記事の中で様々なエネルギーの分類を紹介しました。

しかしその中には水素エネルギーは含まれていませんでしたね。それは、水素エネルギーは2次エネルギーだからです。

エネルギーには1次エネルギーと2次エネルギーの2つに分類できます。1次エネルギーは前回の記事で紹介したような、加工されていない状態のエネルギーを指します。

それに対して2次エネルギーは1次エネルギーを転換、加工して得られるエネルギーを指します。電気やガス、ガソリンも水素エネルギーと同じ2次エネルギーです。

どうやって水素を作るの?

では、水素エネルギーはどんな1次エネルギーから作られるのでしょうか?

水素を作ると聞いてイメージするのは、中学の理科の実験で行った水の電気分解ではないでしょうか。

もちろん電気分解によっても水素は作られています。しかしその他にも石油や天然ガスなどの化石燃料、メタノールやエタノール、下水汚泥、廃プラスチックなどからもつくることができます。また、化学工場などでも、副次的な水素が発生しています。

主な製造方法を図にまとめるとこうなります。
地球上の多くの加工物に含まれている水素は、様々な資源から生成することが可能なのですね。


今は化石燃料由来が主流

現状では、化石燃料由来の水素が主流になっています。これは「グレー水素」と呼ばれ、短時間に低コストで大量に製造できる反面、化石燃料を使用しているため製造過程でCO2を排出してしまいます。

しかし、将来的にはこのグレー水素の製造過程で出るCO2を回収・地中貯留(CCS)することで、排出量を正味ゼロにした「ブルー水素」、更には再生可能エネルギーを利用し水の電気分解によりCO2を一切放出しない「グリーン水素」と呼ばれる水素を製造することが主流になると考えられています。


まとめ

水素エネルギーは使用時にCO2を排出しませんが、製造時も使用時もCO2を排出しないグリーン水素を使用した理想的な水素活用というものは、今はまだあまり現実的ではないようです。

しかしながら、今後技術が更に発展、低コスト化が進めば環境負荷の低減、日本のエネルギー自習率向上に大きく貢献することができると期待されています。

まだまだ解決すべき課題は沢山ありますが、グリーン水素エネルギーが活用される将来もそう遠くないはずです。今後どんな技術が開発され発展していくのか、注目していきたいと思います!


レイ・クリエーションでは上記のような図から3DCGを使用した動画まで、環境・エネルギーに特化したデザイン販促物制作をおこなっております。お気軽にお問い合わせください。

参考:
https://www.honda.co.jp/leafel/e-learning/content/energy/chap01.html
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20210302/se1/00m/020/032000c