「再生可能エネルギー、自然エネルギー、新エネルギー。色々あるけど何が違うの?」
2021-11-17
石油や石炭などの化石燃料の枯渇や、地球温暖化などといった環境問題に対する意識の高まりを背景に「再生可能エネルギー」「自然エネルギー」「新エネルギー」などといった言葉をよく聞くようになりました。
なんとなく、どれも環境に優しいエネルギーとは理解はしているものの、具体的に何にどんなものが含まれるかご存知ですか。全て同じだと思ってはいませんか?
確かに、太陽光発電や風力発電は「再生可能エネルギー」かつ「自然エネルギー」かつ「新エネルギー」です。では、水力発電はどうでしょう?
水力発電は「再生可能エネルギー」かつ「自然エネルギー」ではありますが、ダム等を使用している水力発電は昔から普及されており「新エネルギー」と言われるとなんだか違和感がある気がします。
それもそのはず、大型水力発電は新エネルギーには含まれないのです。水力発電は、「1,000kW以下の中小水力発電のみ」新エネルギーと指定されています。
知ってるようで知らない「再生可能エネルギー」「自然エネルギー」「新エネルギー」それぞれにいったいどんな違いがあるのでしょうか。
「再生可能エネルギー」
再生可能エネルギーとは、石油や石炭、天然ガスなどといった化石エネルギーとは違い、消費後も再度エネルギーを作り出すことができるものを指します。
先程あげた太陽光や風力発電に加え、バイオマス発電、廃棄物発電などが含まれます。
「自然エネルギー」
自然エネルギーとは、地球の自然環境から生まれるエネルギーを利用することができるものを指します。
太陽光発電、風力発電、地熱発電などが有名ですね。自然エネルギーは再生可能なので、再生可能エネルギーの分類の中に含まれます。
「新エネルギー」
新エネルギーとは、自然エネルギー、リサイクルエネルギー、従来型エネルギーの新利用形態の3つの分類されています。
また「新エネ法」(*新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法)により「技術的に実用化段階に達しつつあるが、経済性の面での制約から普及が十分でないもので、石油代替エネルギーの導入を図るために特に必要なもの」と定義されています。
つまり、既に実用化段階に達している水力発電や地熱発電、反対にまだ研究開発段階にある波力発電や海洋温度差発電は、自然エネルギーであっても新エネルギーには指定されていません。(注:中小水力発電、バイナリー方式の地熱発電は新エネルギーに含まれます)
なんだかややこしくなってきましたね。ではこれを図にまとめてみましょう。
再生可能エネルギーの中に自然エネルギーが分類され、さらにその中に新エネルギーの一部が含まれていることが見て取れます。
このように、再生可能エネルギー、自然エネルギー、新エネルギーは共通する点、類似する点は多いものの、少しずつその定義は違っているんです。
自然エネルギーや再生可能エネルギーとは違い、新エネルギーは普及の度合いによってその定義が変化します。
なので、今後もっと自然エネルギーなどの再生可能エネルギーの普及が広まることで、現在研究開発段階の波力発電や海洋温度差発電が新エネルギーに含まれたり、反対に太陽光発電が実用化段階になって新エネルギーから抜ける、なんてことがあるかもしれませんね。
沢山の情報を図やイラストで見える化することにより、ごちゃごちゃしてしまいがちな情報をスッキリと解りやすく見せることができます。
レイ・クリエーションでは環境・エネルギー分野に特化したデザインを行っております。
参考:
https://www.kajima.co.jp/news/digest/aug_2001/tokushu/tokushu.htm
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-150/about/index.html
https://gooddo.jp/magazine/sdgs_2030/clean_energy_sdgs/6478/